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MewPro Genlock Dongle の使い方

Genlock Dongle と MewPro のデモを確認し、接続方法を説明します。

2台の GoPro Hero 3+ Black なら Dual Hero System を使うと、ビデオや写真を genlock で撮ることができます。しかし、3台以上の場合、今まではそういうことができませんでした。MewPro Genlock Dongle は GoPro カメラ本体のハードウェアのエミュレーターです。Dual Hero System と通信して、それが生成している genlock のために必要な垂直同期、水平同期の信号を盗み出します。

Dongle の動作デモ

4台の GoPro を同期しながら撮影する様子のデモ映像です。電源オンとオフ、撮影モードや設定の変更、撮影が同期しています。

このデモ映像を撮る際に必要だった道具を以下に記します。

数量
GoPro Hero 3+ Black n
MewPro n-1
Genlock Dongle 1
USB 充電パック 1
配線材

(注: n はカメラの台数です。このデモでは n=4です。)

上記の道具は次のように接続しました。

Single dongle configuration
Dongle 1台設定

  • TRIG: Dual Hero が録画の開始/停止のために生成します
  • VSYNC: Dual Hero が各フレームの同期のために生成します
  • HSYNC: Dual Hero が各走査線の同期のために生成します
  • GND: 信号線のグランドです
  • UART の信号線 (TXO/RXI) は MewPro と Dongle が用い、GoPro #0 の設定やモードの変更を他の GoPro に共有させることができます。 (*)
  • RESET は接続はしなくても構いませんが、エラーが起こったときのことを考えると利用価値があります。Arduino Pro Mini のどれかのリセットボタンを押すと、全部のボードがリセットされます。これはすべてのボードをいったん取り外してから再装着するのと同じ効果があります。

Dongle は Dual Hero の USB コネクタから電源をとって動作しているので、市販の USB 充電パックまたはACアダプターをそこに接続する必要があります。

* 注意: GoPro #0 がモードや設定、録画の開始/停止などの全てをコントロールします。GoPro #0 からの指令は他の GoPro たちに UART の信号線で伝達されます。これは上意下達的で、フィードバックはありません。したがって、もし他の GoPro のどれかがビジーの場合、指令が無視されることも起こり得ます。しかしながら、UART の信号線は TRIG とか VSYNC、HSYNC とは関係ないので、この程度の信頼性でも、ビデオの画質や撮影自体には何の影響もありません。

もう一つ別の接続方法

上で説明した Dongle 1台設定は普通の状況では充分で、多数台の GoPro をフレームに固定した撮影器材を新たに制作するような場合には、もっとも少ない部品でできるという意味でお勧めできます。しかし、そうではない場合、例えばもう GoPro を何台も固定した器材を作ってあるとかいう場合、もう一つ別の接続方法も可能ですので、考慮してみてください。

数量
GoPro Hero 3+ Black n
MewPro n
Genlock Dongle 2
USB 充電パック 1
配線材

(注: n はカメラの台数です。このデモでは n=4です。)

接続は次のようにします。

Double dongle configuration
Dongle 2台設定

1台ではなく2台の Dongle を使う利点は、配線がより対称的になる (MewPro #0 と Dongle #1 の間の UART 信号線は対称ではありません) ということと、GoPro #0 の背面により大きな余裕ができることです。

Dongle 2台設定の動作している様子のデモ映像もあります。電源オン、モード変更、撮影、電源オフの様子です。

配線の方法

Dongle が1台設定でも2台設定でも、Dongle #1 と MewPro #i (i=0,1,2,…,n) の間の配線は次のようになると分かります。
wiring

1台設定と2台設定は、MewPro #0 があるかないかだけしか違わないことが分かります。

ここで示した配線は、すべてあなた自身が半田付けする必要があります。その際、次の図で確認してください。

Wires to Dongle #1
Dongle #1 の配線
Wires to MewPro
MewPro の配線
Wires to MewPro 2
MewPro 2 の配線
Wires of MewPro Cable
MewPro Cable の配線

付記: 当ラボでは GoPro Hero 3+ Black が4台で、配線が 30cm 程度までしか動作を確認していません。もし、それより多数の GoPro の場合や配線が長くなる場合、動作の保証はありません。しかし、たいていの場合、大丈夫ではないかと期待しますが、配線はなるべく短くするようにしたほうがいいですよ。

関連資料

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MewProとアプリケーションの使い方

MewPro (ミュープロ) を最初に使う方法を説明します。GoPro (ゴープロ) カメラの制御の基本も説明します。今回はセンサーの説明はしません(センサーの例はこのあとのポストで説明することになると思います)。

注: MewPro は、GoPro というビデオカメラに接続して、ビデオカメラを制御するためのオープンソース/オープンハードの電子工作キットです。販売はこちらのページで行っています(もちろん、日本国内にも発送します)。


必要なもの

MewPro を GoPro のコントローラーとして使うためには次のハードウェアが必要です:

GoPro Hero 3+ Black (ゴープロ ヒーロー 3+ ブラック)
これ以外の機種は MewPro では動きません。Hero 4 Black はサポートできるはずですが、お約束はできません。
MewPro
表面実装のパーツや Herobus コネクタ、Arduino Pro Mini 3.3V 8MHz (アルドゥイーノ プロ ミニ 3.3ボルト 8メガヘルツ) がハンダ付けしてあるもの。もっと高性能なマイコンがいいのなら、MewPro のアプリケーションは Teensy 3.1GR-KURUMI をサポートしています。
Arduino Pro Mini 用の臨時 FTDI ヘッダー
このサイトのショップから MewPro をお求めの場合には、このヘッダーが商品のパッケージに含まれています。
Sparkfun FTDI Basic Breakout – 3.3V と USB ケーブル
FTDI ボードは 3.3V 版にしてください。互換品で構いません。


注意: Arduino Pro Mini の代わりに Teensy 3.1 を使う場合には、Arduino Pro Mini 用の臨時 FTDI ヘッダーと Sparkfun FTDI ボードは不要です。このサイトのショップにはArduino Pro Mini / Teensy 3.1 変換基板がありますのでご購入をご検討ください。

Teensy の場合の警告: Teensy 3.1 を MewPro で使う場合、基板の VUSB と VIN の間のパターンを切ってください (Teensy のハンダ用パッドがたくさんある側にカットするための特別なパッドとその隙間があります)。MewPro は RAW に GoPro 本体のバッテリーから約3.8Vを受けています。ですから、もし VUSB (5V) を MewPro の RAW につなぐと GoPro 本体のバッテリーに 5V がかかることになります。これでは GoPro が壊れます。

ソフトウェア:

Arduino IDE 1.5.7 beta またはそれの新版
Arduino IDE の古い版は Wire ライブラリーにバグがあるため MewPro が動きません。
MewPro アプリケーション
これはオープンソースのソフトウェアです (MIT ライセンス)。 改変や配布が好きなように行えます。


注意: あなたがもし Teensy 3.1 または GR-KURUMI を使うというのなら、あなたは間違いなく「ハッカー」です。というわけで、そんなおかたは Arduino IDE の代わりにどんなソフトウェアを使えばいいかなんてとおの昔にご存知ですね。


接続

Arduino IDE を PC にインストールし、それを起動します。Arduino IDE で [File]→[Open...]→ とし MewPro.ino を開きます。

注意: MewPro.ino には以下のファイルがタブとして含まれています。 a_Queue.inob_TimeAlarms.inoc_I2C.inod_BacpacCommands.inoe_Shutter.inof_Switch.inog_IRremote.inoh_LightSensor.inoi_PIRsensor.inoj_VideoMotionDetect.inoもし、Arduino Pro Mini の中でどんなことが起こるかを理解したいのなら、これらのファイルを読めばよいということです。

MewPro を PC に FTDI ボードと臨時ヘッダーを使って接続します。
IMG_5942
さらに GoPro Hero 3+ Black に接続します。
IMG_5943

Arduino IDE の中で次を選びます。[Tools]→[Board]→[Arduino Pro or Pro Mini]、[Tools]→[Processor]→[ATmega328 (3.3V, 8MHz)]、[Tools]→[Port]→[(FTDI を接続したポート)]. そして “Verify” をクリックして MewPro スケッチをコンパイルし、”Upload” をクリックして Arduino Pro Mini にアップロードします。

注意: Teensy 3.1を使う場合 c_I2C.ino のコンパイルができません。最初の4行を次のように変更してください。
#if defined(__MK20DX256__) // Teensy 3.1
#include <i2c_t3.h> // *** please comment out this line if __MK20DX256__ is not defined ***
#else // Arduino Pro Mini
//#include <Wire.h> // *** please comment out this line if __MK20DX256__ is defined ***


GoPro をコントロール

Arduino IDE のウインドウで “シリアルモニター” を開きます (右上隅の “虫眼鏡” アイコンをクリックします)。右下隅のプルダウンメニューで [57600 baud] を選び、真ん中のメニューは[Newline]、左はチェック入れて[Autoscroll]とします。

11.57
@‘ (アットマーク1文字) をシリアルモニターの入力窓に入力し、リターンキーを押します。

12.00
camera power on” というメッセージが表示され、GoPro Hero 3+ Black の電源がオンになります。

シリアルモニター” に表示されるメッセージは、Arduino と GoPro の間の通信の詳細を表しています。もし、これが MewPro と GoPro を初めてつないだ場合なら、あたかも間違いが起こっているかのような “>01 08” というのが繰り返して表示されます。これは MewPro のボード上にある I²C EEPROM の正しい初期化がまだされていないからです。そこで、もう1つの1文字コマンド ‘!’ (びっくりマーク) をシリアルモニターの入力窓に入力しましょう。

12.001

すると GoPro からいままでとは違うメッセージが表示されます。
12.002
“role change” というのは BacPac™ としての役割が変更になったことを表します。今回は役割が “マスター” になりました。(Dual Hero BacPac™ における役割に関しては、ちょっと前のポスト (英文) をご覧ください)。

役割が “マスター” のとき、カメラ本体のシャッターボタンは押すことができなくなっています。しかし、コンポジットビデオ信号を Herobus コネクターを通して出力させるコマンド “VO1″ を使うことができるのはこの役割のときだけです。”マスター” のとき、MewPro はこのコマンドを GoPro に向けて自動的に送出しますが、その様子が上のスクリーンショットで分かります。

次に役割を “スレーブ” に変更します。そのためには、1文字コマンド ‘!’ をもう一度入力してください。’!’ コマンドは “マスター” と “スレーブ” の役割を切り替えます。
12.003
12.010

上のスクリーンショットでは、GoPro本体からいろいろな情報が引き出せた様子がわかります。

さて、これで MewPro ボード上の I²C EEPROM は “スレーブ” として正しく設定されました。役割が “スレーブ” のときには、GoPro 本体のシャッターボタンを押すことができます。ですから、MewPro はこの役割で普段お使いになることをおすすめします。

これ以後は、Arduino から GoPro のほとんどすべての操作をすることができます。I²C コマンドの一覧は 以前のポスト (英文) にあります。

“SY1” と入力してみましょう。その次には “SY0” を入力してみましょう。 (録画が始まります! 録画が停止します!!)

もう終わりにしたければ “PW0” と入力しましょう。 (GoPro の電源がオフになるはずです。)

それではお楽しみください!


最後に注意: “SY1” コマンドは GoPro が電源投入時と異なるモードにある際には動作しません。つまり、カメラ本体の mode/power ボタンを指で押したり、”CM” (SET_CAMERA_MODE) コマンドを送出した場合、以降の “SY” コマンドは動作しなくなります。これは GoPro のファームウェアの制約で、MewPro 側ではどうにもなりません。この制約を回避するには、モードを変更する際には “DM” (SET_CAMERA_DEFAULT_MODE) で変更先のモードを指定し、”PW0” コマンドで電源をオフにします。そのあと ‘@‘ コマンドで電源をオンにすれば “SY1” コマンドが動作します。